2003-05-14

時 計    NO 429

サービス業に従事するスタッフには、時計に目をやるタイミングに神経を遣うのも重要な技術。その行為を見られたお客様に、「早く帰れ」という冷たいイメージが伝わる危険性があるからだ。

 我々がプロスタッフで仕事を担当する時、時計を身に着けることの許される立場が限られており、プロデュースの総責任者で司会を担当する私は、本番前には司会台に懐中時計を置くことにしている。

 札幌に講演に行った際、帰路に上野まで乗車した寝台列車「北斗星」の車内で、北斗星の文字が刻まれたオリジナルな懐中時計を購入し、あちこちで重宝していたが、名古屋のホテルで講演をした時に忘れて返り、それから行方不明となり残念に思っている。

 さて、ナレーションの原稿創作、ビデオの編集に欠かせないのがストップウォッチ。随分昔のセイコーのものを長く使用していたが、短針の調子がおかしくなり、思い切って買い変えることにした。

 時計屋さんに行かせたスタッフから電話が入る。「デジタルもありますが?」

 私は、即座に「デジタルはダメ」と返した。

 針が1秒1秒を刻みながら60秒で1周する。
<後、どのぐらいの秒数が残っているのだ>
 そんなイメージが瞬時に伝わるのは、やはり「針」のあるタイプ。デジタルには所要時間では変わりないが、その微妙な部分が劣ることになる。

 それは、私の勝手な思い込みであり、アナログ的な頭の古さに因することかも知れないが、これは、今後も変わることがないと断言する。

  今、このストップウォッチを必要とする仕事に取り組んでいる。あるビデオ映像を制作しているのだが、これが途方もなく長編で、取り敢えずテストバージョン を創ってみたら49分。ここから35分まで短縮しなければならず、そこに被せる音楽とナレーション原稿の創作には、秒単位の計算が必要となっている。

 こんなビデオを映像製作会社に委託すれば、企画、絵コンテ、資料映像などが絡み、大変な作業時間と莫大な経費を要するもの。それを自社のスタッフ達だけで制作しようというのだから大変。

 このビデオで最も重要なことはナレーター。そこで女性スタッフの技術アップが必定で、本人が懸命に練習に取り組んでいる。

 基本ベースとなる映像は、何回ものやり直しを経て完成に至る訳だが、資料映像が不足しており、スタッフがカメラを手に山、花、海など、「自然」の撮影に行かせなければならない状況を迎えている。

 明後日の葬儀が終われば、集中して進めなければならない。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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