2016-06-23

香のこと  NO 4894

大阪環状線 新型車両今日は「幸せ列車」の「10年前の独り言」を再掲する

自己満足かな?  NO 1545 2006-06-23

葬儀が終わる。ご主人を亡くされた奥様にご遺骨が抱かれ、息子さんの運転する車がご自宅に向け出発されて行くが、その後方にスタッフ達の乗った車が続く。 

ご遺影、ご遺骨が安置される中陰祭壇の飾り付け、それが同行するスタッフの仕事になるが、仏事の「しきたり」である「還骨」の儀式を終え、最近に慣習と なってきたみたいな当日「初七日」法要が終わり、親戚の人達が帰った後に訪れるご遺族の緊張の糸の急激な緩み、そこでそれまでに体感されたことのない「特 殊な疲れ」と言葉で表現出来ない「寂しさ」に襲われることになる。

介護、看護という言葉は誰もが知るが、ご本人と家族の両者がそんな時間を経て「覚悟」が生まれていれば少しの救いがあるが、予想もしなかった突然の不幸というケースでは「悲嘆」に対するケアというものは答えがないほど難しいもの。

精神医学や科学の発展で様々なことが論文発表され実践されているが、20年ほど前から私が興味を覚えていたのは「香り」の世界。当時は「御香」という限ら れた範囲でしかなかったことが、最近には「アロマセラピー」なんてプロの存在もあり、嗅覚から「癒し」につながるケアが着目されている。

全国各地に出掛けてきた歴史、ホテルや旅館に宿泊する中で感じた「香り」の探究心で相手を驚かせてしまったこともあるが、これまでの体験から結論付けると、我々葬儀社はもっと真剣に「香り」について神経を遣うべきと提起したい。

「どうぞ、ご焼香を」というアナウンスで参列者の焼香が始まり、誰もが無意識に焼香机の上に置かれた用具で焼香される光景、そこに昔から大きな疑問を抱いてきた歴史がある。

現実的な比喩で恐縮だが、30万円の葬儀と100万円の葬儀にあって司会者や「お香」のレベルも変わるべきというのが私の考え。しかし、そんな差別や区別 が大嫌いな性格から高レベルのものを提供しようと実践してきたのが弊社理念のひとつ。「ここの『お香』は半端じゃない!」と気付かれた参列者が果たして何 人おられただろうかと興味を覚える。

スプーン一杯で数十万円という「お香」も存在するが、100名の会葬者全員にそんな「お香」をご用 意することは不可能。だから弔問者、会葬者の皆さんが焼香される「お香」の中に私の厳選した「お香」を少しだけブレンドする訳だが、その香りが式場内に間 違いなく流れることを感じている。

ある葬儀が終わってから10日ぐらいした時、商店街を歩いていて喪主さんとバッタリ会った。そこでの立ち話でいくつか質問を受けることになったのだが、「お通夜の時に感じたお香の香りが印象に残っているの」というお言葉が。

それは、私が式場から出る前の挨拶時に手向けさせていただいた「お香」のこと。次の日にスタッフに届けさせたらえらくお喜びくださってびっくり。「主人の葬儀の光景がはっきりと蘇ってくるの」という御礼のお電話を頂戴した。

それは「悲しみの記憶の香り」となろうが、部屋を澄んだ空間に神変させ、心を落ち着かせる効果があることは事実。そこにささやかだろうが癒しにつながる結果があると信じたい。

※ 香については香道に造詣深い函館の「清雅舎」のHPをどうぞ。函館便りのページにコ社長のコラム「迷いの窓」に詳しいのでご参考に。

今日の写真は大阪環状線に登場予定の新型車両を。
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