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2005-01-16

神戸にて  NO 1038


 午後から冷え込みが強くなった。会葬の皆さんに「コートはお召しのままで」とアナウンス。外のテント内に設置されたストーブが重宝されていた。

 105歳の女性のご葬儀、大阪の天王寺区内で最高齢のお方だった。

 1900年のお生まれ、我が国に蒸気自動車とミシンが初めて輸入された年。緋衣のご装束でご導師をつとめられたご住職が、「私と同じ干支で二回りも違うのです」とおっしゃられた。

 「かわいいお婆ちゃん」という会葬者の皆さんのお声。ご遺影が素晴らしくて美しい。特殊な技術で編集されたフィルムバージョン、ご出棺前にお柩の中に納められた。

 腰がいよいよ痛み始めた。クシャミをすれば大変、ビクッとくる。葬儀を終えて自宅に戻り、薬などの忘れ物がないように確認してからスタッフ達と神戸に向かったが、天候がどうやら今晩から雨模様みたいで泣かされそう。

 先に神戸入りしているメンバー達から電話、「独り言」の情報からか「腰、大丈夫ですか?」と心配される。

 阪神高速を降りた神戸市内、そこは、まるで厳戒態勢みたいな雰囲気。警察関係者の姿を何百人も見て、<これは普通じゃない>と緊張が走る。

 車を駐車場に置き、タクシーで兵庫県公館へ。そこは東京で言うならば迎賓館、玄関で「関係者証」を差し出し名前を告げて中に入ると、玄関横にNHKの中継車が横付けされ準備中。

 式場内は、すでに著名な指揮者の指導で子供達のコーラスのリハーサルが終わり、ちょうど全体的流れのリハに入る前だった。

 名古屋のメンバーが遺族代表の役、弊社の社員達が式辞などを担当される県関係者や大臣の代行役。私は何と陛下という配役を担当することに。

 両陛下のお席は祭壇に向かって右側に設置されているが、宮内庁の指導により、その方向性の角度まで決められているとのこと。御前の机の上には皇后陛下の帽子を置かれる台もある。

 両陛下がご献花をされる前、献花台に真っ白の敷き布を置かなければならず、本番ではそれを公詢社の女性スタッフが担当することに。

 椅子席のすべてにご着席される方々のご芳名が張られているが、両陛下がお通りになられる通路の両側の席を見てびっくり。「警衛」「側衛」というお席札が貼られている。

 リハーサルの途中、警察関係者のトップクラスの方々が会場確認に。その重々しさが伝わってくる。

 追悼式典の重要なコンセプトに「あかり」の受け継ぎがあり、我々が葬儀で行っている「献灯」に似通ったものだが、このBGMがはっきり言ってマッチしない。

この部分のプロデューサーのイベント的感性と言えばそれまでだが、「悲しみ」「癒し」「儀式」という世界を理解されていないような思いを抱き、それは、公詢社の吉田社長をはじめメンバー全員も同じ感想を述べていた。

 今、ホテルの部屋でこの原稿を打っている。明日の朝は5時15分にロビー集合になっているが、どうしてもスタッフが足りない状況。弊社のスタッフ達を、ある大学で行われる追悼式典に振り替える方向で考えている。
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