2017-05-31

忘れられないこと  NO 6978

熱海駅前号で尾道に在住する人物のブログの写真を掲載したが、次回に尾道へ行った際には立ち寄りたい所がある。それは瀬戸内海の島にある「西日光耕三寺」で、浄土真宗本願寺派のお寺である。

これまでに3回参拝したことがあるが初めて訪れたのは40数年前のこと。松山から船に乗って行ったことを記憶している。

確か「瀬戸田港」だったと思うが、帰路は三原港から三原駅に行き、そこから「急行 関門」を利用して帰阪したことを思い出す。

このお寺は実業家がお母さんの菩提を祀る思いから出家されて建立されたものだが、陽明門と同じような建築物があるところから「西日光」という呼称で知られている。

体力が落ちて余生が短いことを考え始めると元気だった頃に訪れた場所に行ってみたくなるし、過去に宿泊したホテルや旅館で特別に印象に残っているところへ行って昔話をして「有難う」とお礼を言いたい思いを抱くのである。

そんな中の一つが熱海の「さくらや旅館」で、娘がアメリカに在住する前に初孫と共に利用した旅館だが、前にも書いたことのある嬉しかった体験談を再掲しておこう。

現在高校三年生になっている初孫だが、当時はまだ2歳になっていなかった。東京へ行った際に関東に在住していた娘に電話を入れ、熱海の旅館を予約したからと伝えた。

一足先に「こだま」を利用して熱海駅へ行ったが、駅前で待ってくれていた旅館のスタッフに娘が首都高の渋滞でバスが遅れて何時着くか分からないと伝えると、「先に旅館へご案内します」と車で連れて行ってくれた。

部屋に通されてお茶をいただきながら事情を話すと「夕食はご到着されてからにしましょう」と言われて申し訳ない思い。娘が熱海駅に到着したのは予定より2時間遅れで、お陰で夕食が午後8時を少し過ぎてしまった。

ホテルや旅館でこんな時間に夕食をしたのはそれが初めで最後の体験となったが、娘も「この旅館の対応は素晴らしいね」と喜んでいた。

そんな体験談を「さくらや旅館」でして感謝の思いを伝えたい。全国各地へ出掛けたが「有難う」の思いを伝えたいホテルや旅館がいっぱい存在する。果たして存命中に全てを回れるだろうかと弱気もあるが、何とか心残りを少なくしたいと思っている。

熱海は何度も行ったことがあるが、夫婦で東京からの帰路に急に熱海で1泊ということになって忘れられない体験談がある。これも過去に書いたがもう一度書いておこう。

2月の寒い日だった。東京駅から「こだま」に乗って熱海駅に到着してホームから階段を下りている時に何か猛烈に寒さを感じた。そこで気が付いたのがコート、マフラー、手袋を網棚に置いたままだったという忘れ物。「こだま」はすでに発車した後で、すぐに娘に電話を入れて事情を伝え、乗車していた号車と席の番号を伝えて対処を頼んでおいた。

駅前からタクシーで旅館まで行ったが、山側と思っていたのに海側のホテルの玄関で降ろされた。フロントで確認すると予約されていないとのこと。スタッフの方からよく似た名前の旅館があるということを聞いて「それだ!」と思ったが、仕方なく道路へ出たら猛烈な冷え込みで凍えそう。

そんな時に幸運にもタクシーの空車が停まってくれた。旅館名を伝えて事情を話すと「よく間違うことがあるので我々タクシー仲間でも気を付けているのです。プロとして恥です。戻ってから組合に報告しておきますから」と対応してくれた。

やっと到着した旅館。部屋に通されて体験談を話したら、「月に何度か間違い事件が発生しています」と説明された。

熱海の歴史ある有名な旅館だったが、それから1年も経たない内に閉業されてしまったので寂しい思い。そうそう、忘れ物のことだが、次の日に名古屋駅の忘れ物窓口で貰って帰阪した。

今日の写真は熱海駅を。
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