2016-06-11

歴史が流れ  NO 4882

VARIG 707型機朝から喫茶店に行って数紙の新聞を読む。「暴僧に仏おののく延暦寺」なんて川柳が目に留まったが、僧侶が暴力事件を起こした延暦寺の事件を揶揄したものだが、本当に衝撃的なニュースだった。

早稲田大学教授がマスメディアの現実に憂いを感じる意見を書かれ、NHK会長の一連の発言に昔の暗い時代の歴史を彷彿されたようなことを指摘されていた。

世界のジャーナリズムについても我が国の自由報道は徐々に制約が出ていると指摘されているが、一連のキャスター降板や交代のことも話題になったこともあり、一部では「圧力」というネットの声もあった。

江戸っ子だという読者の投稿が掲載されていた。「政治資金で下着を買うような知事は最悪、知性も品も欠如。こんな首長にリオで次期開催地として五輪旗を受け取って貰いたくない」と指摘されていたが、今日の新聞記事でも都知事が辞職するような雰囲気は一切なく、自民党と公明党が推挙したという製造責任という背景があるという指摘もあった。

2か月ほど前、夜の番組で過去の大韓航空の爆破事件をドラマティティックに採り上げていた。犯行に及んだ北朝鮮の2人が日本人になって搭乗せずに爆発物を仕掛けた事件だったが、捜査当局が事実を調べて逮捕に行った際に男性の方は毒物自殺を遂げ、女性だけが逮捕されて韓国へ移送された1987年に起きた有名な出来事である。

この時に爆破された飛行機は「ボーイング707型機」で、「DC10型機」が予定されていたのが何かの事情で代替されたもので、アブダビ、バンコク、ソウルへの便となっていた。

この「707型機」は1978年に大韓航空機がソ連の領空を侵犯して空対空ミサイルで攻撃され、凍結湖に不時着して2名の犠牲者を出した同型機で、ビートルズが1964年に来日した時も同型機だった。

長距離型だったところから世界の多くの航空会社が導入していた歴史があり、映画の「007ロシアより愛を込めて」や「若大将シリーズ」にも登場したし、ブルース・リーの「燃えよドラゴン」でも見られたが、日本の航空会社は1機も導入していなかった。

逸話として知られるのが飛行機マニアとして有名な俳優の「トラボルタ氏」で、2004年に自分で操縦して来日したのもこの機種だった。

「トラボルタ氏」は多くの飛行機を所有されているが、この707型機をカンタス航空から譲り受けた縁からカンタス航空の親善大使に任命されたことも知られているが、2010年1月に発生したハイチ大地震の際に救援物資を輸送する行動をされたことも有名である。

38年前、どうしても行かなければならない事情があってサンパウロに行ったことがあるが、往路の羽田、アンカレッジ、ロサンゼルス、リマ。経由でリオデジャネイロに利用したヴァリグ・ブラジル航空もこの同型機で、乗り換えてサンパウロに入ったが、帰路のリオデジャネイロ、リマ、ロサンゼルスも同じ飛行機だった。

当時は各空港でトランジットする時間も長く、往路で36時間も要して大変だったが、現在では20数時間で行けるようになっているし、中東経由やヨーロッパ回りの便もあるので随分と便利になったものである。

日本航空が直行便を飛ばしていた時期もあったが、会社更生法の問題があった2010年に撤退している。

昭和42年(1966年)は航空機事故が続いた。2月4日にANA機が東京湾に墜落。3月4日にカナダ太平洋航空の「DC-8型機」が羽田空港で墜落事故。その原因となった濃霧はもう一つの飛行機の運命に影響を与えていた。

ロンドン、ニューヨーク、ホノルル、東京、香港と飛ぶ路線の英国の「BOAC航空」の707型機が羽田の濃霧のために福岡空港に着陸。3月5日に羽田に到着してから香港へ向かったが、富士山付近で空中分解をして墜落してしまったという3件の事故が続発した。

今日の写真はブラジルのフラッグ・キャリアであって消滅してしまったヴァリグ・ブラジル航空のボーイング707型機を。
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