2013-12-11

遠方から有り難う  NO 3477


入院前日、九州から友人が来阪。自宅近くの喫茶店でコーヒーを飲みながら談笑したが、その際に体調の異変を伝えたら驚く程心配してくれた。

彼と私は同じ病で入院した体験もあり、年齢も近いので交流が深く、もう30年のご仏縁に結ばれている。

そんな彼が可愛い女の子を伴って見舞いに来てくれ恐縮した。偶々休校日だったそうで、小学校2年生という孫さんが甘えている姿に羨ましい思いもした。

「新幹線で来たの?」と聞いてみると、「つばめとさくらで」と答えてくれたが、山陽新幹線の終着駅である「博多駅」で九州新幹線に乗り換えるのだから大変である。

「有り難う。気を付けてね」と見送ったが、自宅に到着するまでに4時間以上の長旅となってしまうので手を合わせた。

何度もJRを利用するなら「ジパング倶楽部」に入会するべきと話しておいたが、もう夫婦会員になれる年齢なのだから利用しないのは勿体ないような気がした。

元気になって新年を迎えたら九州の温泉でもと交わしたが、九州の人にしか知られていない穴場の温泉の存在を知って「行きたい」という欲望が高まり、そんな思いが病状回復の効果につながるように思っている。

銭湯と温泉大好き人間で、いつも車に銭湯セットを準備している大阪の友人がいるが、彼が教えてくれた秘湯に興味を覚えて行ったことが懐かしく思い出される。

阿蘇から高森の方へ向かい、しばらく走ったところを阿蘇山の方へ入って行くアクセスだったが、この道が予想していた以上に狭く、もしも前方から車がやって来たらすれ違いが不可能なような状況で、祈りながら坂道を走行することを強いられた。

苦労の末に到着した温泉は、まさに秘湯と称されるような存在だった。もう20年以上も前のことだったが、垂玉温泉の山口旅館は強烈な思い出として残っている。

次 の日を迎え、露天風呂で空の様子を眺めていたら雪が降り始め、もしも積雪になったら幹線道路まで走行するのは危険と判断。朝食を早目に済ませて出発した ら、国道57号線から大観峰の方へ向かうと、ワイパーの機能に障害が発生するような猛吹雪。4トントラックの後方に着いて轍を選択しながら15分ほど走行 したら、トラックが停車。運転手さんが降りて来られて次のように言われた。

「この雪では危険だ。遭難する恐れもある。さっきの広いところまでバックをして引き返すけど、あなたはどうする?」

そこで、私も引き返し、国道57号線を大津の方へ下り、九州自動車道を利用したが、もしも運転手さんのアドバイスがなかったら、大分へつながる「やまなみハイウェー」で雪に包まれ、遭難していたかもと考えると、今日ある幸運に手を合わせたくなるのである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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