2013-11-25

旅での出来事  NO 3471


過日の旅で「ジパング倶楽部」の特典を最大限に利用させて貰ったが、我々高齢者にとっては何より有り難い会員制度である。

特に飛行機嫌いの私にとっては大歓迎で、動けなくなるまで会員であり続けようと考えている。

今日の郵便物の中に「ジパング倶楽部通信」があった。「旅のアトリエ」という情報誌も同封されており、ページを繙くとすぐに出発したくなることになる。

これまでに何度も書いたが、「行きたい」「会いたい」「見たい」「食べたい」などの「たい」は欲望の証し。それが失せたら人生はお終い。それまでは「逝きたくない」とこの世に執着するのに「旅」は重要なキーワードとなるだろう。

過日の旅で忘れられないことがあった。気仙沼駅の売店でお茶を購入した際、ポケットから硬貨を出そうとして1円硬貨を落としてしまったからだ。

そ の硬貨はびっくりするほどうまく回転しながらアイスクリームの入った冷蔵庫の下へ転がってしまった。それを目撃されていた女性店員さんが「後で拾いますか ら」とレジから1円硬貨を差し出してくれたが、何かしら旅の思い出になりそうな気になって「有り難う」と返して受け取ることを辞退した。

列 車が動き始めた時に思い出したのがテレビの「一休さん」のアニメで見た光景。他人が誤って川の中に落としてしまった一枚の硬貨を、本人が「要らない」と言 うにも関わらず、一休さんが川の中に入って懸命に見つけようとする行動だが、それを見た人が「僅かなお金なのに」と発した言葉に対して一休さんは「そう言 う意味ではなく、この世に貨幣として誕生したのに、それが流通することなく埋もれてしまうことが問題なのです」みたいなことを説かれたことが印象に残って おり、ふと川の中でなかってよかったと思ってしまった。

その列車が一ノ関に着き、連絡していた新幹線の「やまびこ」に6分というのは我々 には難しく、1時間後の列車を選択したことから駅の構内をウロウロ出来たが、ホームにあった店で蕎麦を注文したら、妻が昨日に買い物をしたことを憶えてお られ、「昨日は和服、今日は洋服ですか?」と、昨日購入した品物まできっちり記憶されていたことにびっくり。この記憶こそが店頭販売での貴重な才能と解説 していた書物のことを思い出すことになり、これも旅の思い出として心に残っている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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