2003-10-05

司会者用 『虎の巻』   NO 567

一昨日、「NO 565 温故知新」で書いた「葬儀司会の虎の巻」だが、多くのメールをいただき、お手紙をいただいた方もあって驚愕している。

 「どこを探しても分かり易い解説書がなくて困っていました」
 「いつもお寺様のことが不安で、震えながらマイクを握っています。お経のことが触れられた解説書、すぐにお願い申し上げます」
 「神式の体験がなく困っています。神式のことも記載されているのでしょうか?」

 すべての方々に返信を差し上げることが難しく、取り急ぎ、このコーナーでお礼を申し上げます。

メールや手紙をくださった皆様、この駄文の列記である「独り言」をご訪問いただき恐縮しております。販売が決定すれば必ずお知らせ申し上げますのでお待ちくださいませ。

 さて、メールの中に、宗教者が葬儀で使用される「宗教用具」について「恐怖感を抱いています。開式の前に準備するべき用具が分からず、叱られたこともあります」という方がおられた。

 葬儀の司会を担当する者には、この問題は極めて重要なこと。しかし、長い経験で学ぶべきということは酷なことであろうし、そんな恐怖感が司会者にとって大切な環境となる
「余裕」をなくするという悪影響を及ぼしてしまう。

 そこで、過日に書いた推薦HP「空飛ぶ水冠」を、再度下記申し上げますのでご訪問くださいませ。

 一方で、メールの中に「『冥福』や『祈る』の言葉で叱られるという宗教は、仏教なのでしょうか?」というご質問があったので、ここでお答え申し上げる。

これは、過去ログに書いたように記憶しているが、「浄土真宗」での教義である。

 死の定義は「往生」であり、霊魂「ある、ない」を問わずというところから「ご霊前」も禁句であり、「ご冥福をお祈り申し上げ、ご霊前、黙祷をお願い申し上げます」なんてコメントしたら、導師さんが「何を言うか」と後ろを振り返られるほど危険な言葉。

 そんなところから、浄土真宗では「お浄土へと往生」「お念仏にて偲ぶ」「ご仏前、合掌、礼拝」などが基本となっている。

 また、「葬儀ならびに告別式を開式・・・」というコメントが多く使用されているようだが、宗教者を迎えた場合は「葬儀式」。そして、「ならびに」という言葉は悲しみの場では禁句であることも知っていただきたいもの。

 そして、大阪では遺族の謝辞を司会者が代行する場合が多いが、「喪主、親族に成り代わりまして」なんてコメントするのは司会者失格。これほど僭越な発言はなく、絶対に成り代わることが出来ない立場であることを心しておきたいもの。

  世の中に「知らぬが仏」という言葉があるが、日常に使用している言葉に仏教に関する言葉が山ほどある。弔辞によく登場する「黄泉の国」「草葉の陰」「幽冥 境をことにして」なんて言葉を司会者が使用したら、浄土真宗のお寺様なら「この司会者、何を考えている」と失笑される筈。

失笑から、後で叱責され教導されることがあれば、本当に有り難いことだと感謝したいものである。

推薦HP・・「空飛ぶ水冠」
http://www5e.biglobe.ne.jp/~e-kaori/
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