2005-08-24
地蔵盆から NO 1251
ゆったりとした時間の流れ、静かなご葬儀を担当してきた。
故人は私より若い団塊の世代。お別れの時間をゆっくりと環境づくり、広い斎場空間らしいひととき。式場は大阪で最も大きな斎場だったが、今日は友引の日で入場される霊柩車も少なくすべてが静かだった。
炉の番号は13番で、帰路に導師をつとめられたお寺様が「ここは迷信をクリアしているな」と独り言。
御斎の会場へお送りして会社に向かったが、ハンドルを握りながら苦労した昔話を思い出した。「火葬の炉の番号を7番にしてね」というお客様があったから。
単なるラッキーナンバーということからだったが、苦労して実現したことが懐かしい。
当時は自宅葬儀が大半だった頃、夏の「幕張り」は大変だった。エアコンでなくクーラーと呼んでいたが、その活用を考慮しながらスマートに幕を張っていた。
その風向も大切、ローソクや焼香の火種に影響が出ないように考え、お寺さん達それぞれに「扇風機を」という要望も少なくなかった。
扇風機の風の音がマイクに入る。これも難渋した問題。式が始まればどうにもならず、前以って確認しておいても、気遣われたご遺族が勝手に動かしてしまうことも多かったから。
祭壇のローソクも風の当たり具合で大きな変化が出る。一方は半分ぐらいにまで減ってしまうことさえある。<消えたらどうする?>と心配の種。
最近、雷雲の発生が多く落雷事故が増えている。昔の落雷は電信柱が多く、停電になる危険性が高かった。葬儀の最中に停電になれば大変、何度か音響が使えずに肉声という体験もあった。
祭壇そのものにも電飾が多く、消費電力のアップでヒューズが飛ぶことも当たり前。いつもドライバーとヒューズが必需品、ブレーカーの設置場所の確認も不可欠だった。
仕事を終えて新聞に目を通す。この半年の出生者数と死亡者数の逆転が報じられている。一方で中国の自殺者数の記事があった。年間に30万人と日本の約10倍、若い人達が増えているとのこと。
世界で1年間に100万人の自殺者があるそう。戦争、テロ、飢えの犠牲者も少なくないが、地球全体で「命の教育」が欠けているみたい。最近の事件は「心の病」から加害者になるケースが多い。
家族が被害者、加害者になったらどれほど辛いことだろうか。そんな家庭教育も欠如しているのは確実。だから「被害者になるな。加害者になるな」と口癖が。
昨夜はあちこちで地蔵盆が行われていた。私の自宅前でもいっぱい子供が集まっていた。どんどん開発されつつある新興住宅地やニュータウン、そこに「お地蔵さん」の存在がないことは淋しいこと。また一方で「宗教が違う」と子供を参加させない親がいるのも悲しい現実。
社会が「命の教育」からどんどん離れてきているような思いがする。