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2004-12-31

行く年来る年  NO 1022


 朝から大阪は雪、差す傘のパサパサ音を耳にしながら会社に向かう。そんな途中に携帯電話。「今、パソコン持っている?」と友人から。それはまさしくヘルプコールだった。

  帰省のために家族で九州へ向かった高速道路、岡山県に入って通行止め。そこからどの道を選択するべきかを調べてくれとのこと。10分ほどで事務所に着き、 すぐに道路情報を調べたが、中国道、山陽道から九州自動車道も通行止め、幸い冬用タイヤを装着している4輪駆動車、国道2号線を走行するしかないとアドバ イス。30分毎に道路情報を連絡すると伝えて安心させた。

 机の上に郵送物、中に1枚のCDが。名古屋の石坂社長が作詞して歌った「千の風」のオリジナルバージョン。彼女の他に作曲を担当されたシンガーソングライターとして著名な福沢恵介さんのバージョンも収録されていた。

 編曲を著名な原田健司さんが担当され、弦楽四重奏とピアノが愛惜の調べを奏でる本格的なもの。リリースされたら大きな話題を呼ぶと確信した。

 ないものを「創る」というのは、ある意味では「道楽」? 私もいっぱい道楽を繰り返してきたが、今回の彼女の挑戦も道楽みたい。しかし、葬儀のことを真剣に「想像」されて「創造」したもの。そんな思いは私と共通していると賛辞を贈りたい。

 「聴いてみたい」「CDを入手したい」というお方があれば、どうぞ弊社にご予約を。葬儀に携わる関係者だけではなく、大切な方を喪われて悲嘆にくれられるお方にもお聞きいただきたい歌詞。「演歌」ではなく、悲しみの方々への慰めの「援歌」なのである。

  昨日に頂戴した女性からのメール、文中にあった「華甲」の文字が久し振り。これは「還暦」と同意である。「華」という文字が「十」が六つ重ねてあるから。 日本の文字はお洒落で粋な世界が多い。「亀の甲より年の功」なんて言葉を思い出しながら、喜寿は無理として「華甲」だけは迎えたいもの。

 スタッフ達が越年されるお客様を担当している。我々は仕事として宿命だが、6日越しとなるご遺族は大変で同情申し上げる。ご近所へのお気遣いやご親戚への連絡も大変。導師をおつめいただくお寺様も新年行事に影響が。

 こんな現実が全国で数千件も発生しているだろう。大晦日や元日がご命日とは一周忌や三回忌のご法要も大変だ。「災」の「字」が今年を象徴する文字となったそうだが、新年から「慈」の文字を大切にする仕事をしたい。

 この十数年の私の新年の瞬間、それは除夜の鐘の音と共に迎えてきた。帰宅したら丑三つ時だが、そこで蕎麦を食して風呂に入る。

 今日の冷え込みは厳しそう。鐘を突きに来られる方々の暖房も大変だ。毎年「経木」を焚くのが私の役割だが、今年は火の係りが特等席みたい。経木とはすべて故人の俗名や戒名が明記されたもの、焚き上げる煙に出る涙、そこに私の仕事の意義を感じるひとときでもある。

 今から行って参ります。どうぞ、皆様、よいお年を。ご訪問くださいまして誠に有り難うございます。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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