2004-07-21
異常気温の中 NO 858
未明にお電話を頂戴し、当直担当者が病院に向かう。
このお客様、過去に担当させていただいた葬儀の際、病院で不愉快な思いをされており、今回は直接弊社に寝台自動車のご依頼が。
その前回だが、病院側が手配をした葬儀社さんが「病院指定です」と言って自宅から帰らず、皆さんが閉口されたそう。
「特別割引です」「今から15分以内に申し込まなければ、明後日までの葬儀は不可能です」なんて強迫めいたセールストークも。これらは全国的に秘められた社会問題になっている。
「当家は、葬儀社を決めています。自宅までの搬送だけを依頼します」とおっしゃれば、普通の葬儀社ならその通り対応してくれるが、悪質な業者の場合は簡単ではない。
先にスタッフを自宅に派遣し、片付けやお布団の準備をし、すでに誰かが依頼しているという演出までやっている。
これらは、病院商法と呼ばれる悪質業者の常套テクニック。病院とは、こんな事後の問題を全く考慮していないのが寂しい現実。
一般の方々への講演、そこで質疑応答に登場することでもこの問題が多く、被害体験をされた方々から「取り締まり機関は?」と訊かれたことも少なくない。
さて、ミス・ホスピタリティを伴って御堂筋の近くのビルへ。予想外に降った雨の影響からかタクシーが大渋滞。20分で行けるところを1時間も要し、九州、広島、東京から
出席されていた方々をお待たせして迷惑を掛けた。
2時間弱の会議が済み、続行してオーディションということで帰社し、そのままお通夜の式場に向かう。
スタッフから情報を入手し、しめやかに通夜法要会が行われたが、ご遺影の前に飾られた清楚な紫の花と白の胡蝶蘭が揺れている。
弔問者の方々の会話、その揺れに興味を抱かれたよう。結界という意味で張られた天井の水引に隠れていたのがエアコンの噴出し口。その影響で揺れているだけなのに、人は勝手な想像をするものだ?
読経とご法話が終わり、ご導師が退出。同時に森山直太郎さんの「さくら」の曲が流れる。これは、故人がこよなく愛唱されていたそうで、ご遺族からCDをお預かりした。
「精一杯、故人との出会い、過ごされたひとときを思い出してあげてください。これからの皆様の人生にあられて、この曲をどこかでお耳にされた時、故人のことを思い出していただければ何よりのお供養・・・・」
そんなフレーズで終曲を迎えたが、現代的な花祭壇に飾られたご遺影が微笑まれたような気がした。
甲府市で40度を超えたそう。暑さもここまでひどいと暴力的。過去に20名の接待スタッフの内、2人が熱中症で倒れパニックになった葬儀があったが、明日はそうならないように祈っておこう。