2014-04-05

卒業と入学の季節に  NO 3599


最近は「旅」に関するテレビ番組が多い。昨夜には土讃線の「坪尻駅」というスイッチバックでも一部の普通列車しか停車しないという珍しい駅が紹介されていたが、それについては「幸せ列車」のコラムで触れておいた。

今夜もJRが協力して放送された2時間番組があったが、神戸で製造された新幹線の車両が船で仙台に運ばれ、そこから一般道を走行して車両基地まで輸送される映像にはびっくりしたが、全国を走る新幹線と桜を撮影した写真に見事なものが多かった。

JR 九州はユニークな列車が多いが、ユニークな企画も多いので感嘆する。九州新幹線を貸切で卒業式を執り行う企画は中々のもので、東日本大震災の発生から行う ことが出来なかった卒業生と今年の卒業生達が一緒になっていたことが素晴らしかったが、その列車を「桜」の花びらでラッピングするデザインを発想された 「水戸岡鋭二」氏にも流石と思った。

人生最後の旅と言えば葬儀となるが、それを「人生の卒業式」と説かれた宗教者もおられるし、「あの世へ入学式」と説かれた宗教者もおられた。

この世を「此岸」、あの世を「彼岸」という言葉もあるが、あの世とは誰もが何時か旅立つ世界で、この世での心残りがないようにありたいし、「あの世」に夢を託して旅立つことが最高の終焉の幸せかもしれないと考えている。

俄かな病で詞を迎えると、医師に掛かっていなかったところから検視の対象となり、「死亡診断書」が「死亡検案書」と変化することになってしまう。

東京23区、横浜市、大阪市、名古屋市には監察医制度があるが、その他の地域では財政難から存在していないという現実がある。

犯罪に関係する死亡や感染症の拡大などを防止するために遺族側の承諾なしに解剖されるケースもあるが、県によっては解剖可能な医師が一人だけという事実もある。

また、それらの費用に関しても様々で、公費負担と遺族側負担もあるので混乱を招いてしまう。

なぜ亡くなったかという死因を知ることはご本人と遺族が知るべきと言われているが、我々葬儀という仕事に従事している中で犯罪死で利用されることだけは避けたいと願っている。

かつて「悦生」という著書を世に出したが、終章部分に犯罪に巻き込まれる危険性があることを小説という形式で書いたら、あるジャーナリストから紹介させて欲しいと懇願されたが、世に広まって悪用されたら困ると思って止めて貰った歴史がある。

そ の人物が私に言った言葉は今でもはっきりと憶えている。「法に抜け穴や隙間がってはいけないのです。そのために法改正をしなければ」だったが、それからも 法はそのままである。その小説部分をご笑覧くださった方々から「衝撃を受けた」と言われたが、あくまでも小説の世界ですと返していた。
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