2017-10-30

台風22号が爆弾低気圧に  NO 8013

CD 慈曲2年前に函館で過ごした時、旅館の大浴場の中から外を見たら大荒れで、それは爆弾低気圧の影響で次の日の大阪行きの飛行機で大変な思いをした。

先週の日曜日の朝に大阪を出発して千歳空港へ飛んで来たが、台風21号の影響で大変だった。

それから1週間、また台風が襲来し、北海道沖で温帯低気圧になったと思ったら爆弾低気圧に発達して猛烈な寒波が襲来したとニュースでやっていた。

さて、前号で触れた苫小牧市民斎場のチラシ広告だが、私にメールで感想をと受信していた大阪在住のクリエーターはデザインや文章を創作しただけで、印刷は苫小牧の印刷会社が担当していた。

印刷にあたって文字組を担当していた印刷会社の職人だが、文字を拾いながら泣いてしまったという事実があったそう。

原稿の内容は職人と呼ばれた人物の葬儀で、喪主を務めた息子が父の思い出を語っていたもので、拝見させて貰った私もウルウルとなった。

家族葬が潮流となっている社会でその物語を読んだら間違いないなく意識変化が生じるだろうが、読まれた市民の方々の中にそんな思いを抱かれた方が多かった事実も聞いた。

様々な業界の広告で「満足度94%」なんてコピーを目にするが、それなら「6%」の方が満足に至っておられないと考えるべきであろう。仕事でお客様に「満足度100%」は簡単ではないが、プロならその達成を目標に従事したいものだ。

何度か紹介した深いご仏縁のある愛媛県松山の同業者の信念に考えさせられたことがあった。創業者からずっと伝達されていることに「葬儀社はチラシ広告をするな」というもので、葬儀はスーパーのように「物」を売る仕事ではないという哲学が背景にあった。

今回の苫小牧市民斎場のチラシ広告には一切の金額表示もなく、目にされて読まれた方々が深く考えさせられる内容で統一され、社会への見事な問題提起と言える構成だった。

それは如何にもクリエーターらしい創作で、改めて彼の凄さを認識した。

そんな彼は私が監修した葬儀音楽のCDのジャケットのデザインとタイトルを命名してくれた歴史がある。

私がシチュエーション・シナリオを描いて天才と称されたミュージシャンに作曲を依頼したものだが、作曲されたすべての曲が収録されたテープを前にミュージシャンとタイトルを打ち合わせしていた時、偶然に「お元気ですか?」とクリエーターが来社。そこで経緯を説明してジャケットとタイトルを考えていると伝えると、「私に任せてください」ということになり、「デモテープを全曲聴いて考えます」と持ち帰られた。

その数日後、「完成しました」と彼が来社。机の上に2種類のジャケットデザインを並べ、「慈曲」というタイトルで「縦に表記すれば演歌のイメージになりますが、曲のイメージからすると横書きの方が」と説明してくれ、すぐに納得をした私は横書きを即決した。

そのCDは、当時のCMのない番組として知られていた読売テレビの「宗教の時間」で採り上げられ、私と作曲者がインタビューを受けたし、ホテルで行われていた大規模な合同葬の光景も紹介された。

この番組は読売グループで知られる「正力松太郎氏」の硬いご意志からCMを一切入れない番組として知られたものだが、テレビという公共放送はそんな考え方が大切だというお考えがあったと聞いている。

各宗派の宗祖や本山のこと、また高僧の皆様が登場される番組なのに、私のような葬儀社が紹介されて多くのお寺様方から驚きのお言葉をいただいたことも懐かしいが、このCDは、私がこの世を出立した後も「生かされた証」として残ることは嬉しいことだ。

10曲の中に私自身が作曲した「逝かれし人へ」という曲も入っているが、高齢の双子の姉妹として知られた方の葬儀のニュース映像を観ていたら、ご出棺時にこの曲が流れていたことに驚いたことは言うまでもない。

今日の写真は葬儀音楽CD「慈曲」を。
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