2009-08-17

勉強会  NO 2509


 暑い時期に熱いものを食するのが身体に良いそうで、お盆でも営業していた商店街の食堂で熱い蕎麦を食べた。

 自宅へ戻る際、ふと式場を覗くとスタッフの姿がある。そこで立ち寄り、女性司会者を交えて男性スタッフ達と葬儀に関する雑談を交わしてきた。

  代表焼香の基本的な順位から始まり、弔電整理のテクニックや神式の「右剣左鏡」のことなどに触れたが、そんな中で重視したキーワードが地震による被害。阪 神大震災で体験したこともあるが、過日の静岡のこともあり、お通夜や葬儀にあって地震の被害を最低限にする勉強会をしなさいと命じておいた。

 大きな揺れがあった場合、祭壇に置かれたお供物が落下することもあろうが、絶対に倒したり落とさない配慮をするべき対象が「ご位牌」と「ご遺影」で、そんなことを考えながら祭壇を設営する葬祭業者や生花会社がどれだけあるだろうか。

  祭壇には燭台も付きもの。そこに火があれば火災の危険性もある。もしものことに備えて防火水や消火器を司会台に準備、スタッフ全員がその事実を理解してお くことも重要だし、その使用に関しては、出来たら故人に直接つながる上述の二つに被害が及ばない配慮も考えたいものだ。

 振り返れば阪神大震災の日は大変だった。私は2軒の司会を担当したが、どちらもご親戚の方がお通夜に比べて半減していたし、お供物が祭壇から落ちていたのを憶えている。

 出勤出来なかった社員もあってローテーションに苦労したが、午後の葬儀のご出棺で大正区の小林斎場へ向かう道中でが忘れられない体験をした。阿倍野区の天王寺駅前にある近鉄百貨店前から西へ進み、しばらくすると全ての信号が作動していなかったからだ。

 往きは白木の宮型霊柩車という目立つ存在があったので優先的に走行することが可能だったが、帰路がどれだけ大変だったかを想像出来るだろうか。そこは、まるでアウトローの様相、警察官の交通整理がない交差点ではどうにもならない混乱を生じていた。

  そんな大阪の被害に比べて神戸方面は想像を絶する状況だったのは誰もがご存じだが、その後に深い交流を結ぶことになる神戸の「株式会社 公詢社」さんがど んな活躍をされたのかは有名な話しで、社長が「語り部」となって伝えられる体験談は涙なくして聞けない命の物語でもあり、それらはHP内のブログでも紹介 されている。

 我が国で地震は避けられない問題だが、大地震だけは御免蒙りたいもの。地球上で大地震が発生しないように祈ると共に、我々の仕事にあっては、それらに備えることも不可欠なことだと知っておきたいものである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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