2018-08-18

小説の縁から  NO 8282

政府専用機大病でリハビリを経て4ヶ月の入院を終えて退院後、脚力を強くするためにあちこちに出掛けたことがあった。

鶴橋駅から近鉄を利用し、長谷寺、室生寺、赤目の滝など毎週訪れ、駅から現地までバスを利用せずに歩いたものである。

昨日のテレビ番組で室生寺を採り上げ、女人高野について参拝に来ていた四天王寺大学の学生達に解説していたが、室生口大野駅からバスで約15分の距離を往復歩いた時のことを懐かしく思い出した。

今なら絶対に無理だろう。寺田町駅まで20分も要するようになってしまっており、何より目が不自由になっているので転んで骨折することが恐ろしい。

一昨日、友人の割烹で友人夫妻と会食をしたが、偶々あったイノシシの焼き肉料理を出してくれたが、私が苦手なのを知っているので別の料理にしてくれた。

グルメ趣味の友人に「珍味です」と出してくれたのが特別な「鮒ずし」で、特別なルートで入手した仕入金額を知ってびっくりした。

何でも食べられる人は幸せで、私のような病的な偏食のある場合は不幸だが、「カニ」や「松茸」を食べたことがないと話すと驚かれるし、観光地のホテルや旅館の夕食で手を付けずに残しているのを目にされた仲居さんからの連絡で、「何か問題がございましたか?」と女将さんが来られたことも何度かあった。

ドクターストップで食前酒も避けなければならない身体。旅行に行ってもアルコール類は一切禁止。友人達が目の前で美味しそうにビールや日本酒を飲むのを見て羨むことになるが、最近はそれも抵抗なく受け入れるようになって来た。

随分昔に「お葬式はハプニングに乗って」とい小説を著したことがあった。しっかりとした番頭さんのいる葬儀社に、お父さんが亡くなって大学を中退した人物がお寺さんの戦略で就職する話だが、発刊してしばらくしたら新聞で紹介されて次の日には何処の書店も売り切れになり、出版社から増刷の勧めが強かったが、売る目的で書いたものではないと増刷をしなかった。

この小説を読んだ地歩の葬儀社の後継者がこれまでに何度か来阪して様々なアドバイスをしているが、ある悩みの相談にやって来てお好み焼き店で2時間程話したら、すっきりと解決に至ったようで明るい表情で帰って行った。

相談事は彼の会社で若い営業スタッフがエリア外の地域と結んで来た契約で、彼は高評価に値すると賛辞したが、番頭さんが苦い顔をしていたというもので、「理解出来ない」とやって来たものだった。

番頭さんとは何度か会ったことがあるが、中々の人格者で葬儀社業界でもかなり知られる人物だった。

なぜ番頭さんが苦い顔をされたのだろうか。普通ならその理由を説明する筈だが、来阪して私の所へやって来ることを予想し、その方が理解に至るだろうという判断みたいだった。

エリア以外の地域と専属契約を結ぶとは営業としては素晴らしいことだが、どうして番頭さんは賛辞しなかったのだろうか。それは契約を結んだことを地域に告知する回覧板で誤解を招く恐れがあったからで、契約が決して強制でないことを書いておくことで、この地域の葬儀はA葬儀社を指定業者といたしました」では抵抗感を抱かれるケースも考えられ、その人達は間違いなく敵になってしまうからである。

強制ではなく特典の存在を説明する範囲にしておけば問題ないが、比喩として「この地域はトヨタの車に決めました」とか「当地域は日立のテレビに決めました」なんて回覧板が回って来たら抵抗感が生まれて当り前で、「式場使用料が半額になります」などの特典を幾つか紹介すれば歓迎されることになるからだ。

彼が戻った次の日に番頭さんから電話があり丁寧にお礼を言われたが、「また彼が成長することになりました」という言葉が私も嬉しかった。

今日の写真は政府専用機のジャンボ機だが、もうしばらくで「777型機」に変更されることになり、1号機がすでに千歳空港に配備されているおり、間もなく2号機も届くような報道があった。
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