2003-12-09
祇園精舎のベルの「声」? NO 630
近畿の山沿いに積雪があったそう。この数日の冷え込み、マフラーが手放せなくなった。
町のあちこちにクリスマス商戦の光景、商店街に忙しないクリスマスソングが流れている。
そんな中、私の手元に「クリスマス・ディナー・ショウ」のチケットが山ほどある。すべてがあちこちのホテルのもの。
招待を受けたもの、しがらみで買ったものの両者があり、どれに行こうかと迷っている。
ホテルと名の付くところが、すべてと言っていいほどクリスマスにパワーを注いでいる。しかし、赤字になる方が多いそうで、黒字と言っても仕入れ業者を泣かせるケースが多く、本質的には黒字と言えないのが厳しい現実。
多くのお客様が集まるのだから売り上げにはなるが、これらで最も潤うのは出演される芸能人。
これまでの体験から正直に書くと、ホテル業界は企画力が高いとは言えない。失礼だが客寄せパンダによる商戦レベルで、次年度に生きない悪循環。
仕入れ業者側から「何枚でもチケットが欲しい」というような企画を考えるべきで、その本番が終わった日、<これだったら>と、次年度の予約が満杯になるような企画が夢だろう。
ホテルとはホスピタリティが売り物。素晴らしい環境空間で上質な時間の流れを提供するもの。人は、これを「優雅」と呼ぶが、知名度しかない芸能人にその解決を求めるのには無理がある。
選ぶエンターテイナーで客層がはっきりと変わるのも事実。チケット購入者が真のゲストと考えるなら、優雅な時間を年々にグレードアップしなければならないだろう。
売りたいものは買わない時代。買いたいものを創造したい。そんな発想転換も大切だし、価格破壊の裏側で本質を探究される人も多く存在する。
両者の満足尺度が異なるのは当たり前。どちらを選ぶかも自由な社会。提供する側の誇りが消滅したら文化が消える。文化も人がつくるもの。
偉そうなことを書いてしまったが、振り返ってみると、このコラムをホテルの部屋から発信したことも少なくない。優雅な空間で夜景を見ながら打ち込むと、それらしき変化が生まれることも事実である。
明日は、他府県のホテルで待ち合わせ。難しい葬儀の事前相談の前打ち合わせ。この事前相談は大変なこと。なぜなら、ご本人と直接面談しなければならないから。
ご自身の希望を拝聴することから始まるプロデュース。クリスマスの鮮やかなデコレーションが施されたホテルの片隅で、そんな話が交わされる。<仏式かな?・・・>