2018-03-16
人生の歴史から NO 8144
現役時代に様々な人達と積極的に会った。飛び込みで来社したセールスの人達を自室に招き入れ、苦労話を聞くことも貴重な情報源になっていた。
「講演に招かれたらギャラが貰えるのに無料で貴重な時間を費やして勿体ない」と批判する愚かなことを言う人物もいたが、知らない世界のことを学ぶことは自分の仕事に役立つことも少なくなかった。
ある飛び込みのセールスで60代の男性が来社、出された名刺に興味を抱いて前身のことを聞いたら、大手の企業を定年退職して取引先だった会社から三顧の礼で迎えらえた歴史を知った。
彼の現役時代の交流関係はびっくりする世界で、2時間程話した時間があっという間に過ぎたのが初めての出会いだった。
その後彼は何度か来社、ユニークな情報を教えてくれ、そんな中に社葬の際に返礼品として用いる最適な物を提案され、何度もお願いいてあちこちで喜ばれることになった。
そんな彼が持ち込んで来た物に面白い物があった。彼は「1万円札をお持ちですか?」と言い、私が1万円札を出すとポケットから短いペンような物を取り出し。キャップを外して1万円札に落書きを始めたので驚いた。
「これ、実は偽札発見のツールなのです」とメカニズムを解説してくれたが、本物の紙幣なら落書きした文字が吸収されて消えるというもので、販促品に最適と思って500本を注文して多くの人達にプレゼントしたら「話の種になる」と話題を呼んで喜ばれた。
ある日、軽のワゴンで何かを満載していることがあった。積み荷について質問すると倒産した台湾の線香会社の商品で、投げ売りされていたのを購入して来たと教えてくれ、その中の一箱を開けて点火をしたら何とも言えない香りがして思わず「全部引き取る」と即決したのだが、それから3年間その線香を担当したお客様の中陰期間に提供したら大好評で、親戚の方が欲しがっているという問い合わせが多かったことを憶えており、在庫が亡くなった時に台湾に行って商品探しをしたい思いになっていた。
新卒で就職して営業に回り、現実の厳しさを痛感して私の部屋で涙を流したセールスもいた。彼の話を聞いてびっくりしたのが訪問した相手先の名刺を100枚持ち帰らなければ上司から叱責されるそうで、セールスに関するテクニックをアドバイスしたら涙を流して感謝されたのだが、その数日後に彼のお母さんから手紙が届き、「落ち込んでいた息子を元気付けていただき有難うございました」というような内容の丁寧なお礼の文章が綴られていたが、それは見事な達筆だったので印象に残っている。
「名詞だけでもいただけませんか」というセールスが多かったが、時間に余裕がある時は部屋に招き入れて知らなかったことを耳にすることも貴重な勉強となっていた。
全国各地に講演で出掛けた体験もあるが、その地で会った主催者や受講者から聞いた話で学んだことも多く、それらはその後の講演の資料につながることになったことも確かである。
日に三つのセミナーの講師を担当したことがあった。「葬儀式場」「結婚式場」「ホテル」の三社をそれぞれ担当したものだったが、主催者が「便利な方だ」と驚かれていた。
今日の写真は日本航空の国際線で撮影した朝食の機内食を。