2017-06-15

100と1  NO 6990

鳥羽湾の情景半世紀前、パソコンどころかワープロもなかったことは誰でも分かるが、当時は文章を書くなんてインクとペンが常識、誰もが万年筆を手にして只管書いていた。

シェーファー、ペリカン、モンブラン、セーラー、パイロットなどの銘柄を思い出すが、スポイド式のインクからカートリッジ式に進化したが、印象に残っているペンがガラスタイプの物で、一般的なペンは一定の方向でなければ書けなかったが、そのガラスペンはどの方向に向けても書ける優れもので人気があった。

インクの色にも様々あり、黒や赤の他に紺色でも薄いや濃いがあったが、文字を書いたら吸い取り紙で滲まない対策が不可欠で、それをしなかったら滲むだけではなく手が汚れるので大変だった。

そんな時代に読んだ月刊誌の投稿記事が印象に残っている。それはアメリカ国内で実際に起きた出来事を紹介鋳ているもので、ある川の上流の町が大企業の工場を誘致したことによる深刻な問題発生だった。

誘致することで雇用が増え税収が大きくアップしてインフラの整備につながると誰もが賛成していたが、一人の医師が頑なに反対を訴え、「近い将来に悲劇を迎える可能性がある」と発言していた。

その指摘が現実となったのは10数年後のことで、下流で生活する人達に原因不明の症状が表れたからだった。

大学の研究機関や専門家の調査で判明したのは工場が排水していた科学物質による問題で、流域の水や生息していた魚を食べたことからだということだった。

多数決は民主主義の背景にある「数」の問題だが。時には「100」よりも「1」が正しかったことを学ぶこともある。

今日の国会のニュース映像を観ながらそんなことを思い出してしまったが、加計学園問題に揺れる文科省や政府の対応がどのように国民が感じているのだろうかと想像する。

日中に行われていた葬儀に参列した。前号で触れたように昔からご仏縁のあるご当家。ざっと振り返るだけで1世紀を超えるので驚きである。

「故人がここでやってね」と遺言されていたことを近くの席におられた参列者から伺ったが、享年91歳のご生涯に手を合わせて来た。

今日のBS番組で「五木寛之さんの百寺巡礼」を観ていたら、東京の芝増上寺が紹介され、懐かしい「寺内大吉氏」と対談されている場面があった。

過去にテレビの番組で「寺内大吉氏」とご一緒したことがあるので当時のことを思い出した。作家の「藤本儀一氏」もご一緒だったが、寺内氏は高僧の他に様々な世界で知られる人物だった。

テロップに俳優の「野際陽子さん」の訃報が流れた。彼女が「女将さん」に扮するドラマを楽しみにしていたこともある。「幸せ列車」のHP内で「女将の独り言」を発信していたが、その中に彼女の番組をヒントにして書いた内容もあった。

あちこちを旅行して多くのホテルや旅館を利用するが、そんな中で「楽しみにしています」と言われてびっくりしたこともあった。

宿泊予約をした際に伝えた名前で検索されたという裏話を聞いて改めて驚いたが、ネット社会の一人歩きの現実を学んだ体験でもある。

今日の写真は年間に3回利用したことのある鳥羽シーサイドホテルから見える鳥羽湾の情景を。このホテルは3つの館それぞれに大浴場があり、夕食前、就寝前、朝風呂とそれぞれ異なった大浴場が利用出来るのでお好みだった。
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