2003-07-23
秘められた努力 NO 494
今日、金沢から知人が来社された。
昨日にアポがあり、今月では今日だけということでお越しくださった。
仕事の話の合間に様々な勉強になることを拝聴したが、その中から興味を感じたタクシー運転手さんのことをご紹介申し上げる。
あるタクシー会社で、いつも売り上げがダントツという運転手さんがいた。
経営者は、その現実に何か秘められたものがあるだろうと興味を覚え、食事に誘って聞き出すことになった。
「別に変わったことは何もしていません。ただ、心掛けていることがあります」
それは、毎朝、喫茶店で新聞に目を通すことだった。
社会や政治のニュースは車内会話のネタになるが、彼の仕事に大いに役立ったのが新聞に記載されている催事。開催の期間や時間を頭に入れ、その会場周辺を流すこと。
また、交差点での黄色信号では必ず停止した。それは安全運転というプロの行動もあったが、もうひとつの彼らしい狙いがあった。
「交差点で停止すると青信号で先頭発信が出来るのです。それによってお客様と遭遇するチャンスが増えるのです。他のタクシーの後続走行ではダメですからね」
これは、プロと呼ばれるタクシー運転手さんの知恵というべきだろう。自身が与えられた仕事の中で知恵を絞る。それは出来そうで出来ないこと。そこにその人の発想能力が必要となってくるが、如何なる場合にも客観的に捉える発想が大切なように思えてならない。
弊社が重視している人生表現。その中に思い出写真を編集したビデオ制作があるが、ちょっとしたスタッフの配慮でお喜びいただいたことがあった。
「ヨーロッパへ出掛けた家族旅行が最後でした」
そんな取材時の言葉に輪を広げ、利用された航空会社をさりげなく耳に入れ、関西空港でその飛行機が飛び立つところを撮影し、思い出写真の前に動く映像として挿入したのである。
その意味をご理解されたのはご遺族だけだが、そんなこだわりが弊社の秘められたサービスとなっている。