2015-04-12

思い出から  NO 5158

随分昔のことで忘れられないことがある。事務所にいると若い女性がセールスに来社、「社員の皆さんにコーヒーがセルフで可能です」と器材を置かせて欲しいということだった。

「若い女性で仕事の出来るスタッフを探して来てくれたら契約するよ」と冗談みたいに返したら、彼女が「本当ですか!?」と真剣そうな表情をしたのでびっくり。余りにもその表情が普通でなかったので自然に「契約するからセッティングして行きなさい」と言ってしまった。

社員への厚生と考えれば悪いことではないし、男性スタッフがいつも女性スタッフにお茶を準備して貰っていたこともあり、その改善の一環として決定した背景もあった。

それから数日後のこと。彼女から電話があり、「明日に若い女性が訪問しますから面接を」と言われてびっくり。そして次の日の午前中にセンスの良い服装の女性が来社した。

履歴書に目を通すと特技のところにコンピューターと書かれてあり、興味を抱いて質問してみたら半端じゃないレベルであることを理解した。

次の月から彼女がスタッフの一員として勤務するようになったが、それまで手書きでナレーションの原稿を書いていたのが一変。口述するだけで余所見をしても性格に打ち込んでおり、プリントアウトしてくれたら読み易くて大歓迎と進展した。

何十回と対応してくれる中、彼女が公休日に問題が生じる。人は慣れるとバックすることが嫌になるもので、次の日に出勤して来た時に打ち込む方法を教えて貰うことにした。

それがきっかけで現在のコラムなどを打ち込むようになれたので、彼女が入社してくれたことに心から感謝しているが、入社してから1ヵ月程経った頃、「実は」と明かされた話に驚くことになった。

彼女は冒頭のコーヒーのセールスに来た人物の妹で、偶々転職を考えていたところからご仏縁となった訳である。

運転免許証を有していたが、出来るだけ運転させないようにしていた。初めて会社の車で出掛けて戻って来たら、男性スタッフに声を掛けて「バックが苦手なのです。お願いします」と喋ったことを耳にしたことがあったからだった。

全員が出掛けてしまって彼女しか残っていなかったことがあった。そんな時にどうしても天王寺区の方へ届けなければならない物があり、仕方なく彼女が車で出掛けて行ったが、30分ほど経つと電話があり、「今、何処にいるか分からなくなっているのです」と言われて信じられなかった。

前に何が見えると数回質問したら、その中に私が知っている飲食店の名前が出て来たので戻る道をアドバイスしたが、帰社したのはそれから40分後のこと。

「心配させるなよ」と言葉を掛けたら、「私、実は右折が苦手で曲がりたい交差点を直進して通り過ぎ、左折を繰り返して走っているのです」と聞いて二度と会社の車に乗らないように頼んだが、そんな彼女が瓜破斎場まで同行してくれ、会社の大きな車を駐車場へ回せるようになったことは進展だったが、運転席のシートがいつも戻されておらず、まずは電動のスイッチでシートを動かさなければ無理だったことも懐かしい。

今日の写真は過日に参拝した薬師寺に展示されていた白鳳時代の金堂本尊台座の模型を。
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