2014-04-30

携帯電話のこと  NO 3622


前号でスマホ「ながら族」の危険について触れ、昨年に救急車で搬送される事故につながったケースが36人あったと書いたが、それは東京都内だけのことで、全国となれば300人を超えているのではと想像する。

自転車で走る「ながら族」も少なくないし、商店街で前方から歩いて来る「ながら族」とぶつかりそうになったことが何度もあるが、これも一つの「症候群」というような病に思われてならないこの頃である。

法による規制はいつもイタチごっこの常態化。自動車電話が登場した当時はそんな規制は全くなかったし、新幹線の車内でも多くの人達の電話の声が聞こえていたことも憶えている。

自動車電話で思い出したことがある。それは、ある一流ホテルの総支配人からホテルマン向けの講演をして欲しいと依頼された際の出来事。出来るだけ宿泊客や利用されるお客さんが少ない日を選び、その日は全員出勤ということで進められていた。

そして当日、予想していた人数よりはるかに多くの人達が受講されることになり、100席用意されていた会場がいっぱいになった。

総支配人が私の紹介をしてくれ、やがて促されて演壇に立ったが、誰もが「何で葬儀屋の話を聞かなければならない」という表情が伝わって来る。そこで冒頭に行ったことが次の言葉だった。

「このホテルは一流かもしれないが、超一流にはなれない。なぜならば受講される皆さんが講師である私自身に気持ちよく喋らせてやろうというサービス精神が感じられないからです」

続いて出したのが自動車電話のことで、次のように伝えた。

私 は、このホテルに宿泊したことも何度かあるし、食事や宴会で利用したこともある。素晴らしい環境で素晴らしいスタッフが素晴らしい料理とサービスを提供し てくれる。そして玄関横からタクシーに乗ろうとすると『有り難うございました。またお越しくださいませ。お気を付けて』と見送ってくれるが、そこまでは一 流であってもタクシーの車内にまで配慮されていない現実を感じてしまう」

そのホテルのタクシーは契約する会社の3ナンバーばかり、さすがにここまで格式を重んじているのかと思っていたが、ある時に乗車すると同時に自動車電話のベルが鳴り、運転手は「今、実車中。後で掛け直しますと」と言って切り、出発した。

「素晴らしい環境から現実に引き戻された思いをしないように、明日でもタクシー会社に行って『電源は切っておりますが、自動車電話をご利用の場合は遠慮なく申し付けてください』と言ってから出発するように伝えて来なさい」

そんな指摘をすると彼らの表情が一変、そこからメモを取る人達も増え、結果として終わってから別の会場で幹部スタッフ20人だけ追加講演をさせられることに至った。

彼らは総支配人がなぜ葬儀屋である私を講師に選択したかを理解したようで、冒頭で敢えて抵抗感を与えるために発言した次の言葉の意味を知ることになった。

「葬儀に携わるスタッフは、ホテルマン以上の資質が求められる世界があり、そこには究極のホスピタリティが求められるからだ」

今日「水曜日」は「まぐまぐブログ」の送信日。テーマは「虫の知らせ」という内容で、高齢者が日頃にしなかったことをやりだしたら気を付けるべきというような体験談を書いた。

在住する生野区を中心に多くの葬儀を担当して来た歴史があるが、弊社は様々なオリジナルサービスを発案して話題を呼んでいたこともあり、北海道から九州まで多くの社葬、本葬儀、合同葬、偲ぶ会、お別れの会などのプロデュースや司会のご仏縁を頂戴したことが多い。

ご遺族から拝聴するご生前の思い出話や看取られた際の出来事などは、それこそ不思議な話題がいっぱいあり、それだけでも1冊の本に纏められるぐらいあるが、そんな中のほんの一部を紹介しておいた。ご興味があれば、ご登録の上「久世目線」のご笑覧を。
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