2013-08-15

終活に想う  NO 3367


「会 長のコラム」ではある葬儀で町会長さんがご当家に怒鳴り込んで来られてご親戚の方と不穏な出来事に発展したことに触れ、「幸せ列車」のコラムでは一旦停止 を怠った霊柩車が警察官に停車を命じられた出来事や、ご自宅に覆面パトがやって来て驚いた体験を書いたが、どうぞ話の種にご笑覧を。

 今日の朝刊に葬儀に関するトラブルが増えているという記事があった。生前契約をされた方が解約そいたいというケースがあったり、実際にやってみたら随分と話が違っていたという指摘が消費者庁に届いているそうで、その件数が増える傾向にあると記事が報じていた。

  そんな中にちょっと気になる部分があった。高齢になられたら判断力がダウンするという記述だったが、悲嘆心理を研鑽した歴史があるので付言するが、高齢で なくても大切な方を亡くすと著しく判断力が低下することは当たり前で、平常時の三分の一程度になるという分析もされている。

 これはこれまでに何度か書いたことがあるが、悲嘆の状況を迎えると、この他に「猜疑心」「不信感」「罪悪感」「自責感」「孤独感」「怒り」などの感情が生まれ、強くなると「幻覚」「や「幻聴」まで生じることを知っておくべきである。

「怒り」の心情についてひとつの例を挙げるが、伴侶が医師から「ガン」で余命幾許もないと診断された際、外を歩くと同年代の人の姿を見るだけで「どうして伴侶だけが。なぜこの連中は元気に歩いているのだ」なんて怒りが生じるケースが生じるのも不通のことなのである。

 弊社でも事前相談のお客様が驚くほど増えているが、葬儀そのものの内容よりも、万が一の「Xデー」を迎えられた際の心理状態についてアドバイスすることの重要性を教えており、他社とは異なる事前相談で対応させていただいている。

 今日の朝の民放番組でも葬儀のことが採り上げられていたが、その内容を観ながら奥行きの深いことを理解されていないと残念に思い、これではお客様が間違った考え方を抱かれてしまうと懸念を抱くことになった。

「終活」という言葉もあちこちで見掛けるようになり、専門雑誌まで登場したみたいだが、葬送の原点から逸脱してしまっていることも多々あり、早々というものは決して「処理」であってはならないことを問題提起した思いである。

 葬儀の考え方に欠かせないのが「解決」という言葉で、「ご遺体」「宗教的」「社会的」「悲嘆」の4つがあり、そこに送る側と送られる側の「安堵」に至るホスピタリティが重視されるのである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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