2011-10-02

あのう やっぱり  NO 2711


  名古屋ゴルフ倶楽部和合コースで行われた日本女子オープンで、馬場ゆかり選手が優勝した。優勝スコアが「12」オーバーというのだからコース設定が難し かったことが理解出来る。テレビ中継で目にしたラフの深さは半端じゃなく、フェアウェイの狭さも相当厳しくセッティングされていた。

 ア マチュアがラウンドすれば途中で止めたくなるなる筈。ゴルフに自信のある友人が、男子日本オープンのコースで終わってから数日後に挑戦したら、ハーフで止 めたくなったと言っていたのを思い出し、ゴルフのラウンドでストレスを感じたのは初めてと語っていたのが印象に残っている。

 女子オープ ンの中継で解説していたのは森口裕子プロ。私は昔から彼女のファンの一員だが、前にも書いたように、彼女の言葉遣いを残念に思っている。「あのう」の連発 が何より聞き苦しいからで、「難易度ナンバーワン」とか「難易度が高い」も意味不明。NHKが中継しているのだから、基本的なアドバイスをしたらよいのに と忸怩たる思いを抱いた。

 優勝インタビューを受けた馬場ゆかり選手の「あのう」も多かった。私の言葉には「あのう」が多いから気をつけよう、と意識するだけで改善されるのに、なぜこんなに乱れた言葉遣いになってしまうのだろうか。

 スポーツ選手へのインタビューの場面で、インテリジェンスの高低を顕著に物語るのが「やっぱり」発言の回数。意識して減らすには「やはり」と替えるだけ。それで確実に半減することを知って欲しい。

  ちょっと自慢たらしい思い出を書いておこう。あるマスメディアの取材を受けた際、「これまでに最高の出来栄えと感じられたお仕事は?」と聞かれ、「明日の 仕事です」と答えたら「カッコいい!」と驚かれたことがあったが、正直に吐露すると、それはいいカッコのつもりで喋った言葉であった。

 葬儀の司会を担当し、最も嬉しかったお言葉をいただけたことは正にプロ冥利。冥利は「名利」にもつながることだが、ある方の葬儀で喪主さんが、謝辞の終わりに次のように仰ってくださったのである。

「私は、これまでいっぱい親不孝をしてきました。しかし、母の葬儀にあって、この葬儀社を選んだことは偶然でしたが、それは最後の親孝行につながりました。葬儀屋さん、有り難う」

 喪主さんの謝辞が終わるとフォローに入るが、そのお言葉を頂戴した時、何を喋るべきか迷ったことを憶えている。

 季節は夏が過ぎ、いつしか秋を迎えている。あちこちに私の好きなコスモスの花が咲き、風に揺れている。過日の南国行きの途中、友人夫妻が町興しの一環として協力しているというコスモス園に連れて行ってくれたが、まだ少し早かったみたいで残念だった。

  その友人が経営する葬儀社では、会葬者の皆さんにコスモスの種をプレゼントしているとのこと。弊社も十数年に亘って「勿忘草」の種をプレゼントしてきた歴 史があるが、「**さんの葬儀で貰った種を蒔いたら、花が咲いたよ」という言葉を耳にした時には本当に嬉しかったものである。

 種が花になるには複雑で大変な過程があるそう。土の質が何より重要だそうで、水を遣り過ぎても成長の妨げとなってしまう。それは、人を育てることと同じで、簡単ではない世界でもある。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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