2007-10-25

寒い社会に  NO 2014


 水曜日は、自宅前の銭湯の定休日。火曜日の深夜、日付が変わってから銭湯の最終客に。いつものように脱衣場でヤクルトを1本飲んでから入るのだが、ふと見ると友人である割烹のオヤジが入っており、減量中だそうで互いの体重を確認し合った。

 1キロほど私より多かった彼は「もうちょっと減量しようと」言いながら先にっ帰ったが、その頃になると、女湯の方も静かになっていた。

さて帰ろうと「明日は、お休みですね」と女将さんに声を掛けたら「これ、休みの分」と、バッグの中にヤクルトを2本入れてくださったが、その女将さんに今夜のお通夜の式場でお会いした。

 故人は、終戦の年の梅雨時にご主人が戦死、それから4人のお子様方を育まれたという偉大な明治生まれの女性。裁縫技術に卓越され、着物や嫁入り布団を徹夜で仕上げられたというご苦労の歴史を伺っただけで頭が下がった。

 私は戦後の生まれだが、戦前、戦中という昭和の激動混乱期を体験された方々のお話しを拝聴すると想像を絶する重みを感じるもの。我々は、そんな皆さんのお陰で存在しているという感謝を忘れてはならず、それだけで謙虚であるべきと手を合わす。

 昔の人達は、貧しくとも「他人様に迷惑を掛けてはならない」という姿勢が強かった。「ご先祖様に恥ずかしくないように!お天道様が見ておられる」との言葉も飛び交っており、他人を騙すなんてことは何より恥ずべき行為であった。

 今、オレオレ詐欺からひったくり、そして偽ブランド品に食品偽装のオンパレードだし、美しい言葉は「品格」の基本だった筈なのに、亀田ファミリーみたいな言葉がテレビ画面に飛び込んでくる。

 一方で、品のない占いオバサンが品のない横綱を訪問して問題になっている。そこに絡むのがシナリオを描いた品のないテレビ局。昔から受け継がれ、明治、大正と大切にされてきた「恥の文化」は何処へ行ってしまったのか。嘆かわしき哉、我が日本国。

 信じられない犯罪も増えて悲しい現実。被害者の冥福を祈ると同時に「加害者逮捕」を祈らなければならない危険な社会。

 薬害、年金など政治の社会でも大混乱。人相が悪く見えてきた退職高級官僚の問題も腹立たしい事件。薬害事件当時の役人達の無責任な言葉も信じられないレベル。泣きを見る被害者の存在があまりも気の毒で悲し過ぎるではないか。

 もはや「罰当たり」という言葉は「死語」になったようだが、来世の存在だけは信じたい。そこに「死後」が考えられるので悪業非道の抑止につながるだろう。それしか救いのない我々庶民に寒い冬の季節が近付いている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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