2007-10-17

こんなことも!  NO 2007


 先日の葬儀での出来事、式場のスタッフルームに入ると、接待スタッフが「感染しますよ」と言いながら市販の感冒薬を服用していた。

 いつも銭湯のスチームの中に入る習慣から<大丈夫だろうと>と思っていたら、昨夜から<!?>という兆候。これは<やばい!>と真向かいに医院に飛び込んだ。

 悪化してしまうと長引くことになり、それだけは避けたいところ。すぐに点滴を受け2種類の薬を貰ってきた。

 それらは風邪症状の定番薬品だが、服用すると眠気がひどくて大変。身体の「だるさ」を感じる時は特に強くなり、車の運転をしないようにとの注意書きがあったのを思い出した。

 さて、今日は、他府県のある女性葬儀司会者から聞かされた体験談を披露申し上げよう。

 200名ぐらいが参列された通夜の場で、読経中に遺族、親族、弔問者の順で進められた焼香が終わると、式場内には読経の声だけとなるのだが、そこで後方に座っていたオバサン達のオシャベリが始まって騒がしくなった。

 彼女は、あまりにもひどい状態なので「ご静粛に」「お静かに」とのアナウンスを入れたかったが、その行動は難しく、ただ「治まってくれるように!」と祈りながらそれからの約15分間、針の筵に座らせられたような心情で耐えていたと言う。

 その間、前方の席から親戚の人達が何度も振り返る姿があったり、お寺さんが如何にも「気付きなさい!」と言うような「咳払い」を入れられたりする行動もあったが、それは、彼女にとって「何とかしなさい!」というように感じられ、逃げ出したい心境に陥っていたそうだ。

 さあ、読経が終わって「ご法話」が始まった。そこで初めに仰られたのが「説教」そのもの。次のように説かれたそうである。

「人 を送るということは悲しいことですね。ここに遺族と呼ばれることになった悲しみの家族の皆さんがおられる。そして、送られるご本人が祭壇の方から皆さんを ご覧になっておられるだろうが、最も悲しんでおられるのは送られるご本人だと思います。なぜなら、私のこれまでの体験で、これほどまでに騒がしいお通夜は 初めてだったからです。この場でオシャベリをされるという方々の神経が理解できませんが、今、ここにおられる全員の皆様にお願いがあるのです。実は、オ シャベリをされた方々へ故人のお怒りがぶつけられませんようにと、皆さんで『ごめんなさい。明日は静かにしますから』と謝罪してあげて欲しいのです」

 そこで祭壇の方に向かわれ、「では、ご一緒に」とお念仏を唱えられたそうだが、次の日の葬儀、それはそれは静かだったそうである。

 司会者達向けの研修会で、「如何に静かな空間を想像するか!」というテーマで研鑽したことが何度もあるが、こんな義理的な参列者によって騒がしくなるのは何より腹立たしい行為。それらは礼節を欠いた一部の愚かな人達によって繰り広げられる寂しくて悲しい現実。

その解決のひとつに「無言の抵抗」というキーワードが秘められているのだが、それは、果たして、どんな秘策なのだろうか?
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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