2007-09-20
安全運転を! NO 1980
19日から法改正が実施され、飲酒運転に関する罰則が厳しくなった。
同乗者や提供者となる飲食店への罰則も強化され、飲酒運転が一切なくなることを願っているが、間違いなく人間とは愚かなもの。今晩の検問で検挙されたり、飲酒で事故を起こしている不届き者があちこちにいただろうと想像する。
葬儀という仕事に長年携わってきたきた私の口癖は「被害者になるな・加害者になるな」だが、それはお通夜や葬儀という場で両者の光景を何度も目にしてきた からで、「人生とは反省の範囲内で過ごせるように生き、決して後悔をすることのないようにありたいもの」という、あらゆる世界のプロ意識を象徴する言葉が 背景に存在しているからである。
酒は、人を変える。泣き上戸や笑い上戸の存在を目の当たりにして驚いたこともあるが、絡み酒、説教酒という人物も周囲に少なくなく、その人の限界前に店を出る体験もしている。
友人の割烹のオヤジが、酒量とは、人によってある一定を過ぎた瞬間から正確が別人になってしまうそうで、その手前で控えさせるのも重要だと教えてくれたことがあり、カウンターで実際に豹変した客の姿が強烈な印象として残っている。
その人の限界は日本酒で2合だった。「もう1本」と言ったところでオヤジがうまく止めたが、横に座っていた関係のないご機嫌爺さんが「まあ、一杯」と注いでしまったから大変だった。
何より変ったのは「視線」である。やさしかった表情が一変し、すべてを下から見上げるような目つきで如何にも攻撃的、一杯を注いでくれた人の言葉尻を捉え「今、何を言うた?」と絡み始め、店内に険悪なムードが流れた。
そんな時、「**さん、もう帰って!金は要らん。二度と来んといて!」とオヤジが強行に外に連れ出してしまった。
予想外に抵抗なく出て行ったのが不思議だったが、戻った友人から<なるほど!>という秘められた事実を教えられた。
その人物は、誰もが知る恐妻家で、酒の限界を超えると一気にその鬱憤を爆発させるそうで、これまでに何度か起こしていた歴史があった。
しかし、次の日には必ず奥さんが来店し、「昨日はご迷惑を」と菓子折りを持参されて謝罪されるそうで、それらは旦那の行動パターンの分析から「何処で飲んで来たの!?」と詰問され、すぐに「かあちゃん、ごめん」と元に戻ってしまうと聞いた。
お酒をこよなく愛する人生も悪くないが、自分だけではなく他人が不幸でないようにするマナーを忘れないで欲しい。酒に強くない私だが、飲む相手だけは選びたいもの。乾杯で少し口をつけただけでも絶対に運転しない性格。それは、よい意味での臆病だからであろう。
飲酒運転で後悔しないように、そして、何より被害者が出ないことを願っている。