2007-07-30
選挙の日に NO 1931"
シーン西館のロビーにいたら、何方かが玄関のガラス扉から中を覗いておられる。そこで<何かな?>と気になって出て行ったら高齢のお婆ちゃんで、手押し車に支えられるように前屈みになっておられた。
外は、猛烈な暑さ。すぐに中にご案内申し上げて対応。ご用件は「私の葬儀をお願い」との事前相談だった。
「あっ、それダメなの!」と私の胸ポケットをご指摘、そこには携帯電話から胸に下がった組紐があり、「私ね、心臓にペース・メーカーがあってね、もう5回も入れ替えているの。電話がね、調子を悪くさせるのよ」と仰り、慌てて携帯電話を離れた場所へ置いた。
便利な社会で知らない内に加害者になっている。電車の車内では優先シートに近付かないようにしているが、目の前でこんなご指摘を受けて猛省した。
伺ってみると、6回も大手術をされたお爺ちゃんをご自宅で介護をされているそうで「どちらが先に逝くか分からないけど、お願いね」から始まり、お婆ちゃん の人生のひとこまを拝聴。そこで判明したのが子供さんの存在がないことと、ご主人の故郷。そして先代さんのご戒名が「院殿・居士」という大変な事実だっ た。
そんな戒名なんて<普通じゃない!>のは常識だが、先代さんが故郷のお寺を建立されたという由緒あるお家柄ということで理解が出 来、もう、このご夫婦で絶家となってしまうという寂しい現実に悲しい思い。万が一の際の導師や納骨先についてもしっかりと言明され、「これで、ホッとした わ」とお帰りになった。
その故郷には私の塾生が存在しており、後日にお寺についての情報把握を依頼しようと考えているが、後ろ姿をお見送りしながら、ご高齢のご夫妻の現実を思い浮かべ、大変失礼だが「お婆ちゃん、お爺ちゃんを見送られてからね」と手を合わせてしまった。
さて、時間ギリギリで地元小学校での投票を済ませた。会場である講堂には地域の役員さん達が管理を手伝われ、我が家の隣家の奥様もおられ「ご苦労様」と 労ってきたが、もう選挙結果の大勢が決している頃。自民党が大変ではなく、我々の日本の国が大変な状況を迎えていると理解し、選出された議員達の責務全う を願いたい。
近所の長老が「絆創膏大臣の影響で当落が左右された候補者が結構あった筈」と言われたが、国民の批判票が民主党に流れたのは確かだろう。
しかし、大問題は投票率の現実。亥年は地震が多くて選挙が荒れるそうだが、投票に行かなかった方々の大半は「誰に入れても同じ」や「入れる人物がいない」という思いがあるのだろう。
自薦候補者や政党推薦候補者だけの選挙には問題がある。そんな時代の到来は絶対にないだろうが、「地球全体、いや、少なくとも国民全体のために」と他薦される救世主のような政治家の登場を願いたいものである。