2007-04-20

手を合わせます  NO 1840


 嫌な事件の報道がいっぱいある。社会がどんどんおかしくなってきているよう。いよいよ「被害者になるな!」「加害者になるな!」という私の口癖を叫びたい心情だ。

 えにしに結ばれる方のご訃報が重なった。お一人は他府県での葬儀、妻に会葬を頼むことにしたが、市内のお方は私の子供達が大変お世話になった人物。社会貢献ということで、皇居で褒章を受けられた歴史もあられる。

 随分昔の話だが、ある時「これを聴いてくれ」と1本のカセット・テープをご持参された。それはご本人が発起人となって組織された団体の会歌。作詞と作曲ををされてご自身で歌われていたものだった。

「君に編曲を頼みたいのだ。頼んだよ」と帰って行かれる後ろ姿を見ながら<えらいことに!>と随分と悩んで苦労した思い出が懐かしい。

 一週間ほどでイントロと間奏部分を創作。ハモンド・オルガンで2コーラス分を演奏して収録したら、マーチ風にアレンジしたイメージを気に入ってくださり、しばらくしたら会のオープニング時に歌われるようになっていた。

 その時、ちょっと横着をして間奏部分を長くしておいた。なぜならどちらがよいかと2パターンを創って迷ってしまい、両方を続けて入れておいたから。結果は音楽の専門家が理想的な「かたち」でアレンジ、間奏部分はコーラスを前提とした方を選ばれていた。

 やがて、いただいた会報誌を開けると会歌が楽譜付きで掲載され、編曲者として私の名前を入れてくださっており恐縮。私の人生の大きな1ページとなっている。 

 私の人生の半分にご厚情とご指導をくださったお方。我が家の家族一同で感謝の合掌を申し上げる。

 暗い社会のニュースに上述のような悲しいご訃報、心が滅入る中で郵便物を整理していたら、見事な花の描かれた葉書があった。それは、これまでにも何度か紹介を申し上げた全国的に著名な大阪の料亭の女将さんから。

 四季折々に送ってくださる有り難い季節の定期便だが、ピンクと黄色のチューリップの絵にマッチした文字イメージで、次のような文章に心が和んだ。

『つなぐ手が 弾む小路や風光る』

『咲いた咲いたチューリップの花が・・ 学校でうたった歌が聞こえて来る。あの頃、やんちゃで、いつも誰かをいじめていたあの子。同窓会では皆に謝っていたネ 温和な紳士になっていたネ 人って変れるんだ』

『心弾む春 素敵なあなた お元気ですか 2007年はる』

 そして、お名前の下に落款があったが、葉書ももちろんオリジナルなもの。大阪を代表する女将さんらしいハートとセンスを感じるものである。

 そんな思いを抱きながら打ち込んでいる今日の「独り言」だが、ふと妻の机の上に目をやると一冊の本が置かれていた。田辺聖子さん著の「週末の鬱金香」だが、この難しい文字に「チューリップ」というルビがあってびっくりだった。

 お葉書、有り難うございました。ご訪問くださって誠に有り難うございます。            九拝合掌
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net