2007-01-29

昔話から  NO 1763


 2匹の猫が潜り込んでいる櫓コタツに入り、テレビのスイッチを入れて飛び込んできた芸能人が「猫」という苗字の人物でびっくり。このお笑い芸人の存在を初めて知った。

 猫で思い出したことがある。それは、私の尊敬申し上げる宗教者が教えてくださった逸話で、高僧が弟子に対して諭した謎掛けみたいな言葉で、確か次のような発言だったように記憶している。

「まだ解らないようじゃな?お前達は、猫の歳を迎えよ」

 今年は「猪年」で私の年だが、誰もが知るように「猫年」なんて存在しない。だから「いつまで経っても無理、永久に理解することはないだろう」ということを伝えたかった言葉である。

 逸話やエピソードには誰もが忘れられないものがいっぱいある筈だが、高校の世界史の授業の中で飛び出した質問が印象に残っているので紹介しよう。

  質問をした生徒だが、彼は、食事の際にやりとりがあった両親の口喧嘩のことを覚えていた。喧嘩の内容はお父さんがマリリン・モンローの映画を観てきたそう で、その容姿のことを語ったところお母さんが腹を立てたというものだったが、先生がアメリカの歴史の中で「モンロー主義を経て」という発言をしたことに驚 き、<どうして!?>と生じた疑問を先生に質問をしたわけであった。

 モンロー主義とは第五代アメリカ大統領であったジェームズ・モン ローが1823年に宣言した外交政策で、ヨーロッパとアメリカは互いに干渉をしないという主義だが、「モンロー」という名が錯綜し、アメリカの恋人と称さ れた有名なグラマー女優のことが過ぎってしまった出来事であり、先生が笑いながらその誤解を解くように説明していた。

 正直に言うと、そこに居た大半の生徒がマリリン・モンローのことだと思っており、私も恥ずかしながらその一人であり、授業が終わってから両親の夫婦喧嘩のことがオープン化され、みんなで大笑いしたことが懐かしい思い出となっている。

 その彼もガンという病気と壮絶な闘いをして数年前にこの世を去った。雑誌や新聞でマリリン・モンローの文字を目にすると彼のことを思い出す。お陰で彼女の映画の数作をWOWOWで観たことがある。

 彼女の終焉があまりにもドラマチック過ぎるので疑問を抱いてしまうが、20世紀を代表する偉大な女優であったことは間違いなく、「帰らざる河」でギターを弾きながら歌う彼女の姿が鮮やかに蘇ってくる。

 人生には人、音楽、映画との出会いもある。ご夫婦の初めてのデートが映画であったというケースも少なくなく、ご伴侶の葬儀でそんなエピソードをお話しすることも悪くないこと。参列者の皆さんがその主題曲を耳にされた時、故人を思い出されることも「お供養」になる筈。

著名な映画評論家の言葉ではないが、「やあぁ、映画って!」ということになるだろうし、「さよなら」と仰っていたおじさんのことも懐かしい。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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