2006-09-26

ハートのサービス  NO 1639


 交流のあるホテルの総支配人や旅館の女将さん達が意外なことに取り組んでいる。宿泊されるお客さんの慢性的な病気の存在を考え、要望によりカロリー計算されたヘルシー料理を提供するというサービスだ。

 栄養士に依頼をしてメニューを考え、料理長が知恵を絞って腕を揮うわけだが、様々な病気の研究もしなければならないというところから真剣に勉強をしており、病院食を体験した私もちょっとだけだがアドバイスをしたら喜ばれた。

 旅行に行っておいしい料理を前に我慢しなければならないとは苦痛である。そこで病気を理解された特別料理を出されたら嬉しいこと。そこにホスピタリティ・サービスの真髄があるとも言えるだろう。

 観光地の宿泊サービスは「一期一会」という世界となるパーセンテージが高いが、人を「もてなす」という本義からすると、そんな健康食サービスも基本的とも言えるだろうし、我々葬祭業は、それ以上の発想をすべき仕事と意識したいものである。

 九州へ出張した際に立ち寄った同業者がある。互いが加盟する協会を通じて深いつながりがあるが、この会社には何処にも真似の出来ないホスピタリティ・チームワークがあり、いつも羨ましい思いを抱いてしまう。

 それは、素晴らしいハートで結ばれたファミリーの絆。それが見事に一致団結して悲しみのお客様に接している美しい姿。そこにビジネス的発想なんて遠い世界。身寄りのない人の葬儀で家族みたいに夜伽で線香番をしている姿が何より美しく感じてしまう。

 事務所に入ったらあちこちから授与された感謝状が机の上に置かれていた。その大半がボランティア的な行動実践から頂戴したものだそうだが、掲げてあったものが過日の台風の揺れで落ちてきたというのだから風の恐ろしさに震えも感じた。

 ちょっとだけだかスタッフ達に体感実験を味わって貰った。少しのことで空間が大きく変化するテクニックだが、専務発信の「もっこすかわら版」に早速そのことがしたためられてあってくすぐったい心情に。今後のお客様のためにプラスになれば嬉しい限りと考えている。

 彼らの運転する車に何度か乗せて貰ったことがあるが、みんなが安全運転に徹していることも洗練された葬儀社の証しだと感じながら、後部座席でイライラしている大阪人間の自分の恥ずかしさも再認識。

 そんな思いの今日の朝、悲しいニュースが飛び込んできた。幼い子供達の列に車が突っ込んだという埼玉県の衝撃の事故。原因は運転者の脇見らしいが、あまりにも痛ましい出来事である。

 18歳で取得出来る普通免許、そこからハンドルを手にする恐ろしさをどこまで学んでいるかが何より大切。

最近の飲酒運転の多さからも、社会は間違いなく病んでいるようで、地元の何処かの斎場で行われる悲しみの儀式の光景を考えると堪らず、<痛かっただろうね。ごめんね>と、孫を思い出しながら手を合わせている。

 過去に書いたように、名神高速道路で居眠り運転から大事故を起こした19歳時の経験があり、エラそうなことを言える立場ではないが、それが自損事故で負傷したのは自分だけということは本当に幸運であった。

 誰もが奇跡と言った不思議な出来事がいっぱいあり、何れ葬祭業を後継しなければならないという覚悟をした機会にもなったが、それは「この世」に生かされた事実に『生涯合掌』という姿勢を教えていただいた貴重な体験だった。

 有明の海を前に雲仙岳が一望出来る熊本県荒尾市、そこに在するハートのあたたかい落合葬儀社に、この「独り言」でエールを送ろう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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