2006-08-15

愛惜・哀惜・相席の調べ?  NO 1598


  あちこちの飲食店がお盆休み、時間外れの昼食の店探しが大変。やっと見つけて入ったら野球中継で盛り上がっている。試合は途中のグランド整備の時間、そこ で朝の時点で大差をつけられ<負けたな!>と思っていた苫小牧が劇的な勝利を得たことを知り、やはり<普通じゃない!>と感じた。

 今日はお盆で終戦の日、そこで夜遅くに四天王寺へ行った。誰もが知る聖徳太子にゆかり深いお寺で、十七条憲法に「和を以って貴し」とあるように、西門には鳥居があり、境内にはお大師さんや親鸞聖人の銅像もある大寺院である。

 東門から入り五重塔や亀の池などあちこちを回って西門に抜けたが、露天の店がいっぱい並び、こんな縁日に孫を伴ってお参りすれば間違いなく情操教育にプラスになるだろうと思いながら一抹の寂しさも。

 さて、「お盆」に因んだ歌で好きな曲がある。若かりし頃に初めて耳にして旋律が印象に残り、すぐにレコードを買ってきて覚えた「竹田の子守歌」である。

 子守歌は、幼い子をあやしたり寝かし付けるために歌われるものだが、この曲の歌詞は奉公先で子供を背負った少女自身の思いを綴ったもの。その背景には悲しい物語が秘められており、よく似た曲に「五木の子守歌」がある。

 どちらも詩も旋律も素晴らしいものだが、放送の世界でオンエア出来なかった悲しい歴史もあり、どうぞネット検索で歌詞やその背景を知っていただければと願っている。

 両曲に「盆」がキーワードとして歌われているが、「竹田の子守歌」には別の思い出があるので紹介を。

 随分と昔の話だが、こんなお盆の時期だった。知人が繁華街で居酒屋を開業し、開業案内状を貰ったことからお祝いを持参したのだが、当時ではまだ珍しかったカラオケ設備を入れていたので驚いた。

 彼は学生時代にフォークバンドで活躍し、プロの世界に行くのではと思っていたらお父さんが俄かな病で急逝され断念。その葬儀を担当したことで関係が深まった「ご仏縁」もあった。

 それから半年後ぐらいに開店したのだが、入ってみると10人ぐらいの客がおり、その中の女性から「あなた、お葬式の時の司会の人では?」と言われてびっくり。彼女が彼の高校時代の同級生であり、葬儀に参列していたことを教えられた。

しばらくカラオケを耳にしながら過ごしていたら、その女性が彼に「ねえ、この人も歌うのでしょう?」と言い出し、予定外にお鉢が回ってきた。

 彼がニヤッと笑っている。そして彼愛用のギターを私に手渡した。そこで歌ったのが「竹田の子守歌」で、その女性が「やっぱり葬儀屋さんだ。この曲、何か泣けてくる」と涙を浮かべられて困った思い出だ。

 お盆というよりもワンコーラスが短いことから選曲した事情があったが、何とも言えない哀調が感じられる名曲である。

 明日は遠方に出掛けるが、帰路で帰省の渋滞に巻き込まれないように願いながら、接近する台風の影響を心配している。
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