2006-07-27
やすらぎ天空館にて NO 1579
一気に夏の空模様を迎えた我が大阪、緑の木々の中でセミ達が奏でるオーケストラがうるさくなった。そんな中、不思議な「ご仏縁」を頂戴することになった葬儀を担当してきた。
昨日の通夜の時、照明の加減で見え難かったシナリオ原稿の文字、今日は文字を少し大きくしたことと日差しの明りのお陰ではっきりと見えた。10.5を11にするだけで随分と違う。これからは11にすることに決めたが<これも歳の所為?>と考えると寂しい思いも。
式場内の椅子席が満席、後方に多くの方が立っておられるが、全員がエアコン機能が及ぶ室内で安堵。今日の気温で室外でお待ちいただく人があれば大変と、全天候型の式場の有り難さを感じながらゆったりとした進行を心掛けるように進めた。
お花のお供えが多くて大変、弊社のスタッフ2人が受付に座って供花係のお手伝い。その姿を見ながらミスのないように祈っていた。
定刻で始まり定刻でご出棺という1時間30分のご葬儀、ご弔辞が素晴らしくて感動し、葬儀式終了時の喪主さんのご謝辞、それで偉大な人生を送られた方の終焉の儀式が見事に引き締まった。
前日とは全く異なる音楽を使用、今日だけのために創作された2曲のオリジナル・レクイエム曲を準備、「慈曲」を中心に9曲の音楽を活用したが、ミキサーシステムの「L・R」の最適イメージを描くため、ご弔辞と弔電代読時のBGMは前方スピーカーのみに調整させた。
こんな仕掛けをやる葬儀社なんて絶対にないと自負するが、それで会場空間を儀式空間に神変させるプラス効果が生まれるのだから不思議なのである。
ご出棺の後、お見送りされた参列者の方から「あのレクイエム曲はどのように?」と質問を受け、昨日に編曲録音しましたと説明すると驚かれていた。
「社長、嬉しいです」と受付を手伝っていた女性スタッフがやってきた。受付の役員さん達から「あの司会者はプロの人?」と質問があり、「弊社の社長です」と申し上げたら「嘘っ!」と言われたそう。
考えてみれば、それだけ我々葬儀社の司会技術が低いと思われてしまっていることになり寂しいが、少しは業界のイメージアップにつながったようだ。
弔電が数え切れないほど届けられていた。代読する分の中に王監督、野村監督、岡田監督などプロ野球関係者がいっぱいあった。右に肩書き、左にご芳名という スタイルだが、弔電とは左側に振り仮名を書き込むと問題が生じる。なぜなら本文ページがケースの差込口の中に入ってしまい、ハンドマイクの場合に苦労する からだ。
過去ログにあるが、現在の弔電にはいっぱい問題がある。縦書きと横書き、また、厚い薄いのケースが代読時に飛ばしてしまう原因ともなる。これは全国の葬儀の司会者が悩んでいる筈である。
漆塗り、線香入り、押し花入りなど様々ある弔電だが、何よりハートを伝えるのは本文である。塾生の身内の葬儀に届いた塾生仲間からの弔電、それが代読されただけで参列者の話題になり、お寺さんからも「どういう人達?」という質問がある内容だ。
宗教、命、愛、絆の大切さを学び、葬儀が命の伝達式であることを理解すると自然に本文が変わるもの。それらはナレーションの原稿でも同じことが言えるだろう。